【前編:Apple Arcade】Googleに続きApple,Amazonも参入、ゲーム業界の今後はどうなるのか
どーもこんにちは、デキる大人編集部のケンティーです。
いやー、最近ゲーム業界に大きな波が押し寄せていますね!
まずはGoogleが2019年3月20日にゲーム開発者向けカンファレンス「GDC 2019」にて、ゲームプラットフォーム「STADIA」を発表しました。
あのGoogleがいよいよ…と思った方も多いことでしょう。
ところがその興奮が冷めやらぬうち、間を置かずして2019年3月26日、今度はAppleがサブスクリプション型のゲームサービス「Apple Arcade」を発表しました!
そして3月29日にはAmazonがニンテンドースイッチオンラインと提携したリリースを発信。
※このことについてはこちらの記事で書いていますので、気になる方はどうぞ!
巨大IT企業と称されるGAFAが次々とゲーム業界へ名乗りを上げたわけですね。
これまでGoogleとAppleは自社でゲームを制作・配信するのではなく「Google play」や「App Store」といったアプリ配信プラットフォームを提供する役割を担っていました。
その両社がほぼ同時期のタイミングでゲーム業界に参入することを発表したこの2019年という年は、今後のゲーム業界の在り方を大きく変える記念すべき年となるのでしょうか!?
今回はそんな2社が提供する予定のゲームサービスを、前編「Apple Arcadeについて」・後編「Stadia(Googleが提供するゲームサービス)について」の二部構成に分けてご紹介・考察していきたいと思います。
- 1.Appleが提供するゲームサービス「Apple Arcade」について
- 2.「Apple Arcade」によってゲーム業界は第3フェイズに入るか?
- 3.最後に~もう札束で殴り合うゲームはたくさんだ~
1.Appleが提供するゲームサービス「Apple Arcade」について
Apple Arcadeの特徴について簡単にまとめると
- 月額一定金額のお支払い(金額については未発表)
- 一つのプランですべてをプレイできる(提供コンテンツは100種類以上!)
- ゲーム内での追加課金は一切なし(これが一番すごい)
- いつでもどこでもオフラインでプレイできる
- Apple IDで連携、iphone、ipad、Macそれぞれの端末で同じデータをプレイ可
- ファミリー共有に対応、一つのプランを家族で共有できる(最大6人まで)
- 2019年秋に日本でサービス開始予定!
※ファミリー共有って何?って人はこちらを参考に
という感じ。これは今アプリゲームでブイブイ言わせているパズドラやモンストもウカウカしてられないですね。これまでのアプリゲーム市場のルールを大きく変える存在になりそうです!
現状のアプリゲームは「ユーザにどれだけ心理的忌避感なく課金させるか」というところに心血を注いでおり、そのためのゲーム設計、UI、UXを磨きこんできました。
※ケンティーもソシャゲにめちゃくちゃ課金していた時期がありました…(遠い目)
そしてそのような環境はこれまで売り切り型のゲームを開発してきた企業にとって、当初かなりきつい環境だったことは想像に難くないところでしょう。
これまではソフトを一度買いさえすれば皆同じ水準でそのコンテンツを楽しむことができていました。しかしソシャゲが流行りだして以降は、ゲームを最大限に楽しめるのはお金を持っている人だけ、ということになりましたからね。
まぁそれらの企業もソシャゲ業界にようやく馴染んできている頃合いではありますよね。
あの任天堂ですら課金要素はユーザにとって優しい設計ではあるものの、「Super Mario Run」や「Pokemon Go」といった課金型アプリゲームを開発・配信しているわけですし。
しかしそのような市場環境の中、この「Apple Arcade」はこの課金市場主義のゲーム業界をパラダイムシフトさせる存在になりえるのではないかと、勝手に期待しています!
かつての「追加課金要素なしで100%楽しめる」ゲームがそこにあるわけですから。
「Apple Arcade」が提供するゲームは大手ディベロッパーと共同で開発を進めており、すでにアライアンスを組んでいる企業群もこの発表の中にありました。
発表された企業の中にはSEGAやKONAMIといった日本が誇る超大手ゲームディベロッパーも含まれており、かなりハイクオリティのゲームが提供されるのではないでしょうか?
※よく見るとあのディズニーも提携先に入っていますね!
また個人的に興奮したのは、あのファイナルファンタジー(FF)の生みの親である坂口博信さんも「Apple ArCade」内で提供されるゲームの開発に携わっているということ!
それを紹介した動画がこちら!
Apple Arcadeを紹介します — 2019年秋、登場
興奮しますねー!もちろんそれ以外にも開発が進んでいるゲームの動画が多数YoutubeやAppleの公式サイトに上がっているので、お時間のある方はご覧ください!
Apple Arcade公式サイトはこちら
日本でサービス開始するのは2019年秋とのこと!首を長くして待ちましょう!!
2.「Apple Arcade」によってゲーム業界は第3フェイズに入るか?
ここからは私の考察になりますが、この「Apple Arcade」によってゲーム業界のビジネスモデルは第3フェイズに入っていくことになるのかな、と少し思っています。
これまでのゲーム業界のビジネスモデルの変遷としては
第1フェイズ:売り切り型ビジネスモデル~ヘビーユーザもライトユーザも同じ売上~
プレイステーションやWiiなどのハードウェアを買って、好きなソフトを買ってそのゲームを楽しむ、といった市場ですね。ソフト分の金額を払いさえすればみな同じ水準でそのコンテンツを最大限に楽しむことができる、といったビジネスモデル。
このビジネスモデルの欠点
1.継続的なマネタイズができない。~売ったら終わり、一過性の売上~
2.各ユーザ毎からの最適なマネタイズができない。
→例えばAというソフトを7,000円で販売した場合、
「俺はこのシリーズだったら10,000円出しても買う」というヘビーユーザからは3,000円分のマネタイズロスになりますし、「5,000円だったら買うけどなぁ…」といったライトユーザからはそもそも買ってもらえもしません。
第2フェイズ:課金型ビジネスモデル~1%の超ヘビーユーザが売上の半分を作る~
これが今のゲーム業界の大きなメインストリームですね。この潮流になってからはこれまでのメインプレイヤーだったゲームディベロッパー(任天堂・セガ・コナミなど)ではなく、新たなプレイヤー(Cygames、DeNA、コロプラなど)が参入し莫大な利益を生み出しました。
第3フェイズ:月額課金型ビジネスモデル~iphoneというデバイスのプラットフォーマーだからこそとれる戦略~
この戦略は正直任天堂やCygamesやDeNAといった第1、第2フェイズに登場したプレイヤーには取れない戦略です。
iphoneという世界的にシェアを取っているプラットフォームを持っているAppleだからこそ取れる戦略でしょう。
もはやiphoneは携帯ゲーム機としての価値も確立させています。そしてAppleが運営している「App Store」は世界最大級の利用者がいるゲームショップとしての側面を持っています。
Appleの発表の中でもありましたが、iOS端末でゲームをしているユーザは世界で10億人もいるそうです!
世界で最も売れたゲーム機といわれているプレイステーション2ですら1億5,500万台ですから、その規模感に圧倒されます…。
そんなiphoneで、月額一定金額を払いさえすれば名だたるゲームディベロッパーが開発したゲームを100タイトル以上楽しめる、しかも追加課金なしとなれば、既存のゲーム業界の課金至上主義に疲弊したユーザーが大量流入するのではないでしょうか?
ただ一つ気になるのは、
「Apple Arcade」に参画している各CP(コンテンツプロバイダー)たちへの利益配分はどうなるのか?
ということです。
月額課金の売り上げの半分くらいはAppleが持っていき、残りの半分を各CPで分けあう、その際の配分基準はユーザの各コンテンツの利用率で傾斜をかける、みたいな感じですかね?
そうするとだいぶCPにとって利幅が少ない商売な気も…。
動画とか見る感じ、かなりお金かかってる感じしますし。
「ユーザが遊んでくれるのはいいけど、うち赤字なんだけど…。」
といった事態にならないかが心配です。まあそこはAppleなので何かしらCPに対して旨みがあるような仕掛けにはしてるんでしょうが。
3.最後に~もう札束で殴り合うゲームはたくさんだ~
かつてケンティーはゲームっ子でした。
頑張ってお年玉をためて、好きなゲームを買って友達と一緒に遊んで。
夜な夜なやりこんで友達と差をつけて、鼻高々にどや顔をかまして。
友達のお兄ちゃんにゲームの裏技を教えてもらって、さっそく家に帰って実践してみたりして。
そこには貧富の差がゲームを楽しむ際の基準になることなどありませんでした。
ところが今は、先述したとおりお金を持っていないと強い武器を持つことも強いキャラクターを使うこともできませんし、そのゲームをやりこむこともできません。
この「Apple Arcade」がそんな現状をガラリと変えてくれるのではないか、とすごく期待してます!がんばれ、Apple!
さて、今回はここまで!
次回は後編の記事でGoogleのゲームサービス「stadia」について書かせていただきます!
最後まで読んでいただいてありがとうございました!